NHK SPORTS STORYの「小池祐貴『遅く走って急成長!』-「いだてん」たちの”つぶやき” -第7話-」という記事に小池祐貴選手の”遅く走る練習”の紹介をしています。YouTubeでも、どの番組だったかは失念しましたが、武井壮さんとの対談で100mを13秒程度の”(武井さん曰く)すっげーのろいスピード”で練習しているとおっしゃっていました。この言葉で、素人おっさんは目をひん剥きましたが…(笑) 小池選手は「遅く走るのは難しい」ともコメントしています。そのレベルであれば、そういうものなのか…と人ごとのように考えてしまいそうですが、初心者こそ思いっきり走るのは1回の練習で1~2本くらいでも良い、とつくづく実感しています。
がむしゃらに走るだけでは速くならない
「ハラケンチャンネル」さんの番組「陸上初心者がまず抑えるべきポイントを解説!短距離走フォームの3つの基礎。練習の質を上げるアスリートの考え方。【陸上】」でケンちゃんさんもおっしゃっていますが、元々足の速い人はさておき、平凡なタイムの人が速くなろうとすると変えていくことが多くあります。単に全力の走り込みをしても大きな伸びしろは期待できません。この番組では着地、腕振り、足の回転位置というのを基礎的なノウハウとしていますが、反発の習得も必須ですし、加速時と中間~後半のフォームも同じではタイムは縮まりません。
走るという行為自体は特に意識しなくても簡単にできてしまうので、素人からいきなり始めると、自分の経験上、練習したり研究したりするという取り組み方にはなりにくいのでは、と思います。特に僕のような年代だと落ちた体力を頑張って回復させようとして走りこんでしまうとか…。これでは体を傷める可能性を高めるだけです。
速く走るための処方箋
色々なフォーム矯正や感覚会得のアプローチがあると思いますが、少なくとも思いっきり走っているばかりでは「しんどい練習を頑張った」という自己満足なだけで、修正すべきところも気づきにくいですし、修正もやりにくく、そもそも修正する前に体力の限界がきてしまいます。
基礎的な動きの練習を反復してスプリントの走りの形に落とし込んでいこうとすると、今までの癖に抵抗することにもなるので大概は走りにくいと思います。陸上chさんの「100mのタイムを伸ばす陸上短距離の基本まとめ!!~速く走るための基礎知識とフォーム~」にあるように見た目と意識は別物です。それが分かっていたとしても、頭で考えたような動きを実際にやるのは難しいです。出来るようになったつもりが再び出来なくなったり、良い感覚が浮かんだり消えたりしながら、フォームと感覚が出来ていくように思います。
ということで、何本も何本も走らないといけないので、 勝手にそれなりの体力も自然についてしまうはず。